2019年2月21日(木)

リュウグウノツカイ…巨大深海魚、浮上の謎
日本海で捕獲相次ぐ 「理由は不明」

2014/2/26付
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日本海沿岸でこの冬、全長数メートルの巨大な深海魚が相次いで定置網などにかかっている。いずれも水深数百メートルより深い海域に生息するとされるが、海面近くで泳ぐ姿が目撃されるケースも。めったに見られないことから深海魚の詳しい生態は分かっておらず、専門家は「海流や水温の影響が考えられるが、はっきりした理由は分からない」と首をかしげている。

富山湾で水揚げされたリュウグウノツカイ(7日、富山県魚津市)=魚津水族館提供

富山湾で水揚げされたリュウグウノツカイ(7日、富山県魚津市)=魚津水族館提供

「あれは何だ」。1月28日、秋田県男鹿市の畠漁港内で、水面近くを白銀色に輝く細長い魚がクネクネと泳いでいるのが見つかった。地元漁師が4人がかりで引き上げ、体の長さを測ると約3メートルあった。

男鹿水族館(男鹿市)の職員が持ち帰って調べ、水深200メートル以下の深海に生息するとされるリュウグウノツカイと判明。しばらく水槽の中で背びれを揺らして泳いでいたが、翌日動かなくなった。同水族館の飯田新二さん(37)は「深海魚が生け捕りになるなんて聞いたことがない」と驚く。

富山湾でも2月7日、富山市の約2キロ沖に仕掛けた定置網に、全長約1.5メートルのリュウグウノツカイがかかった。昨年12月に続き、この冬は2度目。魚津水族館(富山県魚津市)が冷凍保存しており、担当者は「腹の中に残った餌などを調べ、少しでも生態を明らかにしたい」と話す。

無脊椎動物では最大級で深海に生息するダイオウイカも富山や新潟などで水揚げが相次ぐ。25日には日本海に面する兵庫県新温泉町の諸寄港で全長4.1メートルのダイオウイカが浅瀬で見つかり、捕獲された。

島根県沖で"大漁"なのは最大で約2メートルにもなる深海魚のサケガシラだ。松江市の漁業会社「笠浦大敷網漁業」は水深40メートルに定置網を仕掛けているが、同200メートル以下に生息するはずのサケガシラが毎日数匹~十数匹かかる。一方で、1~2月に旬を迎える寒ブリは、同社の水揚げはこの冬はゼロ。船越佐一社長(68)は「売り物にならない魚がたくさんとれても……」と困惑顔だ。

新潟県佐渡市では2月13日、定置網にカグラザメがかかった。定置網を管理する「加茂水産定置網組合」が市場に出荷したところ、茨城県内の研究機関が「これは珍しい」と卸売業者を通じて買っていった。

なぜ巨大深海魚の水揚げが相次いでいるのか。日本海の沖合では例年より海水温が1~2度低い状態が続いているが、水産総合研究センター日本海区水産研究所は「沿岸の漁場では海水温も例年と変わらず、はっきりとした理由は分からない」と指摘。「深海魚は泳ぐ力が弱く、強い北風によって生じた海流で浮き上がった可能性もある」としている。

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