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警察・消防、放水車相次ぎ投入 精度高い新型も

一向に危機的な状況から脱却できない福島第1原子力発電所の原子炉に、警察や消防などは最新鋭の消防機器を相次いで投入している。東京消防庁に続き、大阪市消防本部も19日、高性能ポンプ車を投入。さらに政府はチェルノブイリの原発事故でも使用されたピンポイントで放水できる高性能車を投入する方針だ。

この日、東京消防庁は高性能放水車を使い、2回の放水作業を実施。大阪市消防本部も放水部隊を現地に派遣した。政府はより精度の高い放水方法として、長さ58メートルのアームを使ってピンポイントで注水できるドイツ製「生コン圧送機」活用の検討を始めた。

東京消防庁の緊急消防援助隊は午後2時5分ごろ、3号機への2回目の放水を開始。水位低下が懸念される使用済み燃料プールに向けて7時間にわたって放水を続ける予定。同日未明の1回目の放水では約20分間で約60トンを放水した。

2回目の放水は1回目と同様、「スーパーポンパー」と呼ばれる遠距離大量送水車を使ってくみ上げた海水を地上22メートルの高さから放水できる屈折放水塔車で放水する方法を採用した。作業開始直前に屈折放水塔車のバッテリーが上がるトラブルがあったが、送水車だけで十分な水圧が確保できたため放水を開始、バッテリーもその後復旧した。

屈折放水塔車は遠隔操作が可能で、三つ折りのアームを自在に伸ばして車体から離れた場所へ放水できるため、爆発事故などの火災現場で使われることが多い。東日本大震災で爆発炎上したコスモ石油千葉製油所(千葉県市原市)の消火活動にも投入された。

今回の給水作業でも消防隊員は放水開始後、現場から一定の距離まで離れて作業を監視。燃料補給による中断を挟みながら無人で放水を続け午後9時ごろまで約7時間の連続放水を試みる。今回の作業では最大約1200トンの海水を3号機に放水できるという。

東京消防庁によると、1回目の放水作業に従事した約50人の隊員の放射線量を計測した結果、治療が必要な隊員はいなかったという。

大阪市消防局によると、投入した遠距離大量送水システムは毎分3千リットルの送水が可能。今回は3キロ分のポンプを備えており、他の消防車両などを中継すれば「最大3キロ先まで送水できる」という。

政府も高性能ポンプ車を投入する。長さ58メートルのアームを使って大量の水をピンポイントで注入できるドイツ製生コン圧送機だ。圧送機はドイツ「プッツマイスター社」製で離れた場所からでも大量の注水が可能。チェルノブイリ原発事故でも原発をコンクリートで封鎖するのに使われた実績があるという。

政府は公明党の助言を受けて東京電力と導入の可否を検討。19日午後、圧送機1台が横浜市の港から現地に向けて出発しており、安全性や実効性が確認されれば放水作業に活用する見込みだ。

北沢俊美防衛相は19日の記者会見で自衛隊や東京消防庁の放水について「かなり効果が上がっているのではないか」と述べた。

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