クモの糸でバイオリン やわらかく深みある音色に

2012/4/19付
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世界で初めてクモの糸でできたバイオリンの弦を作製した奈良県立医大の大崎茂芳特任教授(65)=生体高分子学=が、クモの糸の弦は一般的な弦よりも強く、演奏した際に柔らかく深みのある音が出ることを解明し、13日付の米物理学誌フィジカル・レビュー・レターズに掲載された。大崎教授が19日、取材に応じた。

大崎教授は2010年、直径約8マイクロメートル(千分の8ミリ)のクモの糸約1万本から1本の弦を作るのに成功。プロのバイオリニストが名器ストラディバリウスに弦を張って演奏する機会もあり「今までにない音色で、表現の幅が広がる」と絶賛したという。

大崎教授は新たに、弦が奏でる音を解析。通常使用されるナイロン製の弦やガット弦と比較すると、周波数が複数のオクターブに及ぶ「倍音」の数が多く、豊かな音色を奏でることが分かった。

また弦の断面図を分析すると、ナイロン製の弦より強度が高いことも判明。一般的な弦の断面には隙間が多いのに対し、クモの糸は1本ずつが柔らかいため変形し、ぴったりとくっつきあっていた。摩擦に強く、激しい楽曲を演奏しても耐えることができるという。

今年2月には米国の物理学会で紹介され、世界中から大反響があった。大崎教授は「クモの糸の将来的な活用方法を考え、発表したい」と話している。〔共同〕

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