AIJ年金消失、社長ら4人逮捕 警視庁、詐欺容疑で

2012/6/19付
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AIJ投資顧問(東京・中央)による年金消失問題で、警視庁捜査2課は19日、顧客である年金基金から資金をだまし取った疑いが強まったとして、同社社長、浅川和彦容疑者(60)や傘下のアイティーエム証券社長、西村秀昭容疑者(56)ら計4人を詐欺容疑で逮捕した。同庁は東京地検特捜部や証券取引等監視委員会と連携し、1千億円超の年金資産が失われた大型詐欺事件の全容解明を進める。

ほかに逮捕されたのはAIJ取締役の高橋成子容疑者(53)とアイティーエム証券取締役の小菅康一容疑者(50)。高橋容疑者は浅川社長の指示で虚偽の運用報告書などを作成していたという。警視庁などは同日、AIJ本社や同証券など関係先約20カ所を詐欺と金融商品取引法違反(契約に関する偽計)の容疑で家宅捜索した。

逮捕容疑は昨年6~8月、長野市の厚生年金基金と東京都の企業年金基金に嘘の運用実績を記した資料などを示し、投信の代金として計約70億円を詐取した疑い。

警視庁は、遅くとも2009年春にはAIJが実質的に経営破綻したとみており、浅川社長が運用の意思や能力がないのに顧客から資金を集めた行為が詐欺容疑に当たると判断した。

浅川社長は衆参両院の証人喚問などで、03年ごろから損失が出始め、虚偽の運用実績で勧誘してきたことを認めたが、「だますつもりはなかった」として詐欺の犯意を否定していた。

関係者によると、AIJは09年以降、顧客と結んだ契約の大半で受託資産を運用せず、解約を求める基金への払戻金に充てる自転車操業に陥っていた。

監視委が今年3月、金商法違反容疑でAIJ本社や傘下のアイティーエム証券を強制調査したのを受けて、警視庁は顧客などから事情を聴き、契約時の状況や浅川社長の認識について解明を進めてきた。

監視委や警視庁のこれまでの調べによると、AIJの現在の残余資産は90億円にとどまっており、資産を預けた年金基金は巨額の損失処理を迫られている。

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