魚の「利き鼻」は左脳が決定 名古屋市立大が解明

2013/5/20付
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 名古屋市立大大学院の岸本憲人特任助教らのグループが魚の脳を調べた結果、嗅覚を生み出す遺伝子が、成長に伴って左脳でのみ強く働くようになり、左鼻が“利き鼻”となっていく仕組みを明らかにしたと、米科学誌電子版に20日までに発表した。

 岸本特任助教によると、左右の脳は分業により効率的に情報を処理するが、利き手など左右の違いを生む遺伝子の仕組みは研究されていなかったという。岸本特任助教は「研究を広げれば、ヒトの脳にある左右差の解明に役立つかもしれない」としている。

 グループが小型熱帯魚「ゼブラフィッシュ」の脳内の遺伝子を観察したところ、生後3カ月ごろから、新しい神経細胞を嗅覚機能にする役割があると特定できた「Myt1」という遺伝子が、右脳に比べて、左脳で強く働く傾向を確認した。

 生後5カ月の成魚では、右脳と左脳で、この遺伝子の働きに6倍の差があった。左鼻をふさぐと、好むはずの匂いに向かって泳ぐ行動が見られなくなり、左鼻で嗅ぎ分けていると分かった。

 さらに、左鼻をふさいだ魚は、代わりに右脳でこの遺伝子を活発化させ、1週間後には、右鼻が利き鼻になった。成長後にも神経細胞を新生し、失われた機能を取り戻す動きが確認できたことは、障害を負った人の治療やリハビリ法の研究にもつながるという。

 岸本特任助教は「今後の研究で、ヒトの左脳に言語機能が作られる仕組みなど、興味深い知見が得られるかもしれない」と話している。〔共同〕

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