福島第1汚染水浄化装置、不具合で全停止
東京電力は18日、福島第1原子力発電所の汚染水を浄化する装置「ALPS(アルプス)」の1系統で、放射性物質を除去しきれない異常が発生したため、3系統すべてを停止したと発表した。原因を調査中で、運転再開の時期は未定という。
3系統のうち「B系統」の出口で採取した処理後の水に、ベータ線を放つ放射性物質が1リットルあたり1100万~1400万ベクレル残っていた。処理前は数億ベクレル程度含まれ、通常なら処理後は数百ベクレル程度まで低下する。B系統の浄化性能が低下している可能性があり、東電は18日午後、他の2系統も運転を停止して詳しい調査を始めた。
ALPSは汚染水に含まれる63種の放射性物質のうち、トリチウムを除く62種をほとんど除去する能力がある。3系統すべてがフル稼働すれば処理能力は1日750トン。汚染水問題解決の切り札とされているが、トラブルが相次ぎ、試験運転の状態が続いている。
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