「書面で同意」と偽って論文発表 埼玉医大、教授ら処分

2011/10/18付
保存
共有
印刷
その他

埼玉医大は18日までに、患者から書面で同意を得ずに行った研究内容を、書面で同意を得たと偽って米国の専門誌に発表したなどとして、論文の著者で埼玉医大国際医療センター造血器腫瘍科の新津望教授をけん責の懲戒処分にし、共著者4人に口頭注意した。埼玉医大によると、著者らは「口頭では同意を得た」と説明しているという。

専門誌側は論文を取り消した。

論文は昨年12月、米臨床腫瘍学会誌に掲載された。悪性リンパ腫の一種「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」に対するリツキシマブという薬を使った治療により、患者が持っているB型肝炎ウイルスの活動が活発化するリスクを調べたもの。

314人の患者の中で51人は過去にウイルスに感染したことがあり、うち6人で投薬中や終了後にウイルスが活発化したが、肝炎の治療薬を使って抑えたため、発症者はいなかったとしている。

論文には「埼玉医大の倫理委員会で承認され、全患者に説明の上、書面での同意を得ていた」と書かれていたが、同大が学内からの照会を受けて今年2月に確認をしたところ、患者から書面での同意を得てない上、倫理委員会にも諮っていないことが判明した。

埼玉医大は5月、賞罰委員会で処分を決定。9月に専門誌が論文を撤回したのを機に、英語版ウェブサイトで決定を公表した。日本語での発表はしていないが、「国外の学会に向けて報告しておけば足りると考えた」と説明している。〔共同〕

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]