中国の鳥インフルで感染力など検証 東大など
東京大と独立行政法人科学技術振興機構(JST)は共同で、中国で感染が広がる鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)の感染力や増殖能力の研究を始める。国立感染症研究所が中国から入手したウイルスを使い、解析作業に入る。JSTが18日、発表した。
研究では、サル、イタチの仲間のフェレット、マウスをウイルスに感染させ、(1)空気感染する力があるか(2)体内のどこで増殖するのか(3)変異を起こすかどうか――などを検証する。
サルが肺炎を起こす様子からウイルスの病原性を調べるほか、マウスを使った研究で、既存の抗ウイルス薬が効くかどうかを確かめる。感染した動物の体内で起こる反応や体に表れる症状を詳しく探り、予防や診断、治療に役立てるという。
また、北海道大はウイルスの感染力を弱める「モノクローナル抗体」という物質の研究を進める。同大学はこれまでJSTと共同で、ウイルスのタイプに合わせて約300種類を作成。このうち13種類はH7N9型に効くとみており、新たな検査キットや治療薬の開発が期待できる。
徳島文理大や徳島大が感染者を素早く見つける診断技術を開発している。今後、新たな検査や診断システムとしてH7N9型への対応を目指す。