帰還困難区域の牛を救助 福島・浪江の畜産農家

2013/4/18付
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福島県浪江町で牧場を運営する「希望の牧場・ふくしま」は18日、東京電力福島第1原発事故のため、同県大熊町の帰還困難区域内に残されて野生化した牛15頭を浪江町の牧場に移送する作業を行った。牧場で飼育し、放射線が牛に与えた影響を調べるという。

県家畜保健衛生所が設置した柵の中にいた牛を運び出した。牧場のスタッフら十数人が約8時間をかけて大型トラックに牛を乗せ、浪江町の牧場まで搬送。獣医が同行し、野生化した牛が暴れないよう除角や去勢をしたという。

同牧場の吉沢正己代表(59)は「放射能の影響を調べる生きた証拠になる。簡単に安楽死させるのではなく、生かせるものは生かしてやりたい」と話した。

作業に立ち会った飼育主の畜産農家、鵜沼久江さん(60)は「原発事故から2年以上もよく生きてくれた」と再会した牛の姿に目を細めた。

国は2011年5月、福島第1原発から半径20キロの警戒区域内の牛を飼育主の同意を得て殺処分するよう県に通知。県によると事故前に区域内にいた牛は約3500頭で、約1500頭が殺処分されたほか、多くの牛が餓死したとされる。生き残った牛は野生化し、保健所が囲い込み柵を設置して捕獲している。

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