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南海トラフ地震、被害額最大220兆円 減災次第で半減

内閣府部会が試算、避難者は950万人

内閣府の専門家作業部会は18日、太平洋の「南海トラフ」を震源域とするマグニチュード(M)9.1の巨大地震が起きた場合、被害額が最大220兆3千億円に上るとの試算を公表した。東日本大震災の10倍超の規模で、建物やインフラ、ライフラインなどの被害は関東以西の40都府県に及ぶ。減災対策で被害額は半減できるとしており、官民ともに防災計画の抜本見直しを迫られる。

南海トラフ巨大地震の想定被害額(単位兆円)
南海トラフ巨大地震東海・東南海・
南海地震
(2003年想定)
首都直下地震
(05年想定)
東日本
大震災
阪  神
大震災
最  大
ケース
基  本
ケース
最  小
ケース
直接被害169.597.681.8606716.99.6
 民間148.483.469.4
 準公共0.90.60.5
 公共20.213.611.9
生産・サービス低下44.730.223.91938.4
交通寸断の影響6.14.921.5
合  計220.3132.7105.781106.9
南海トラフ巨大地震の想定被害額のうち、「生産・サービス低下」による影響の内訳(最大ケース、単位兆円)
農林水産業0.5
鉱業0.06
建設業2.7
卸売・小売業8.3
金融・保険業3.9
不動産業5
運輸・通信業1.9
電気・ガス・水道業1.5
サービス業3.8
輸送機械3.2
輸送機械以外の製造業13.8
合計44.7

(注)四捨五入の関係で合計額が合わない場合がある

西日本全体の電力供給能力が半減して被災翌日から計画停電を迫られる。避難者は1週間後に950万人に達し、経済や生活への影響は深刻だが、発生頻度は「千年に一度か、もっと低い」としている。政府は月内にも防災・減災対策の基本方針を示し、冷静に備えるよう呼びかける。

被害額の内訳は、直接被害が169兆5千億円で、うち民間部門は148兆4千億円。間接被害は、生産・サービス停止の影響が44兆7千億円で、このうちサプライチェーンの支障で2兆2千億円と見込む。これとは別に、交通網寸断の影響は6兆1千億円とした。

前提となる被害では、2710万軒が停電し、東海、近畿、四国は9割に達する。上水道は3440万人が断水。下水道は3210万人が利用困難となり、都市ガスは180万戸で供給が止まる。固定電話は930万回線が通話不能になる。

燃料不足で緊急車両への給油も支障。避難所などで不足する食料は1週間で、行政や家庭の備蓄分の1.5倍に上る。東西の交通は断たれ、地震が正午に起きると、大阪、名古屋周辺で計380万人が帰宅困難になる。2万3千人がエレベーターに閉じ込められる。

原子力発電所については「別に安全対策が検討されている」(内閣府)として、原発事故は想定に織り込まなかった。

被害推計は、昨年示された震度分布や想定津波高に基づき、東日本大震災や阪神大震災の被災・復旧状況を考慮した。

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