2019年9月16日(月)

親子関係の安定を優先 父子関係 最高裁判決

2014/7/18付
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最高裁は17日、DNA鑑定という科学的な根拠があっても、法律上の父子関係を否定することはできないとの初判断を示した。子供の社会生活の根幹をなす親子関係の安定を優先した形だ。ただ、夫婦や親子の実情は様々で、現在の法律上のルールを当てはめることがどのケースでも最善とは限らない。裁判官からは社会変化を踏まえた立法の取り組みを求める声も上がった。

最高裁判決が力点を置いたのは、子供の立場や境遇を法的に安定させること。血縁関係がないことが後から分かったり、夫婦関係が破綻したりといった理由で、それまでの親子関係が覆されることになれば子供にとって大きなマイナスになる。

判決は「民法は法的親子関係と血縁関係が一致しないことも想定している」とし、血縁という事実よりも嫡出推定という社会の約束事を優先したともいえる。

今回の判決で5人の裁判官の判断は3人の賛成と2人の反対に割れた。「DNA鑑定だけで法的な親子関係を覆すべきではない」という点は5人に共通するが、反対意見の2人はDNAに加えて子の状況次第では取り消しを認めるべきだとした。

妻側が訴えた2件の訴訟の一、二審判決によると、どちらの事案も子供は現在、母と血縁上の父とともに暮らしており、妻側は「物心ついたときから血縁上の父を父親として育ってきた」と訴えていた。

反対意見を付けた金築誠志裁判官は、DNA鑑定結果に加えて「夫婦関係が破綻し、生物学上の父と法律上の親子関係を確保できる場合」には、取り消しもあり得ると主張。白木勇裁判官も、血縁関係を戸籍に反映させたい心情は無視できないとし、「民法との適切な調和には立法的手当てが望ましい」とした。

判決に賛成した桜井龍子裁判官(行政官出身)も補足意見で「旧来の規定が社会の実情に沿わなくなれば、立法政策の問題として検討すべきだ」と指摘。司法判断による解決が困難さを増している現状をうかがわせた。

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