がんの発生、遺伝子コピー数と関係 日米チーム突き止め
日米共同研究チームは50種類のがん細胞の遺伝子を調べ、特定の遺伝子のコピー数の差が、がんの発生に深く関係することを突き止めた。コピー数が違うと遺伝子から作られるたんぱく質の量も異なり、がん細胞の増殖などを左右するとみられる。コピー数が多い遺伝子の働きを止めるといった方法で、様々ながんに効く新薬を開発できる可能性がある。
成果は英科学誌「ネイチャー」(電子版)に発表する。
調べたのは胃がんや白血病、乳がん、大腸がんなど50種類、約3200のがん細胞。通常、1組の染色体には両親から1つずつ受け継いだ2つの遺伝子コピーが載っている。がん細胞ではゼロや4つ、8つなどになっていたという。
例えば「MYC」という遺伝子は急性リンパ性白血病や乳がん、大腸がん、食道がん、肝臓がんなどの細胞の8番染色体上でコピー数が多かった。一方、腎がんや悪性黒色腫などでは「CDKN2」と呼ぶ遺伝子のコピー数が少なかった。
研究チームの東京慈恵会医科大学の浦島充佳准教授は「これらの遺伝子を標的にすれば効果的ながん治療薬開発につながるのでは」と見ている。