浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)5号機で原子炉冷却水に海水が混じったトラブルで、中部電力は17日、タービンを回し終えた蒸気を水に戻す「主復水器」内部で、海水を通す細管43本が損傷し、2本が変形しているのを確認したと発表した。
中部電によると、細管の損傷部と約90センチメートル離れた位置にある循環用の配管のふた(エンドキャップ)の溶接部分が破断、噴出した水の圧力で細管が破損したとみられる。ふたが外れた原因について、中部電は溶接に不具合があったとみて、詳しい原因を調べている。
トラブルは停止作業中の5月14日に発生し、作業を中断するまでの45分間に細管の損傷部から約400トンの海水が原子炉冷却水に混ざり、このうち約5トンの海水が原子炉内に流入したとみられる。中部電は2012年3月までに塩分の除去を終える計画。