「火災→いえがもえている」 外国人に「やさしい日本語」
自治体、災害避難に一役

2011/2/21付
保存
共有
印刷
その他

地震などの災害時に、日本語が不慣れな外国人にも避難指示などの情報が正確に伝わるよう、看板や防災マニュアルなどを平易な日本語で表記する自治体が増えている。「やさしい日本語」と呼ばれ、普段の情報提供にも活用され始めているが、普及を促す専門家は「漢字を平仮名に置き換えるだけでなく、意味が伝わるように工夫する必要がある」と話している。

「やさしい日本語」で書かれた看板(青森県弘前市)=市提供

「やさしい日本語」で書かれた看板(青森県弘前市)=市提供

無料→おかねは いりません

火災が発生しました→いえが もえています。にげて ください

1月15日、神奈川県横須賀市で開かれたやさしい日本語の講習会。市主催の防災訓練の一環で、ボランティアら約20人が会議室に集まり、災害時によく使う言葉を簡単な日本語に言い換える練習問題を解いた。

市内に米軍基地があり「大勢の外国人が避難所に駆け込んでくる可能性がある」と市国際交流課。講習会は一昨年から毎年行っており、「英語が話せなくても外国人を支援でき、救助作業を手伝ってもらうこともできる」と効果を強調する。

青森県弘前市は避難所の位置を示す看板に「にげるところ」などとやさしい日本語を併記。市企画課は「お年寄りや子どもにも分かりやすいと好評」と話す。

やさしい日本語は、阪神大震災で被災した外国人の多くが十分な情報を入手できず、水や毛布などの支援を受けにくかったとの教訓から、弘前大や国立国語研究所(東京都立川市)などの研究者らが提唱。小学校2~3年生程度で習う語彙の範囲で意思疎通できるようにするのが狙いだ。

愛知県安城市は一昨年11月、被災時に必要な情報をやさしい日本語でまとめた冊子「命の手帳」を作成。音声で安否確認ができる災害電話伝言サービスのかけ方や避難に必要な物のリストなどをパスポートサイズにまとめ、市役所の窓口などで配布している。

千葉市国際交流協会では昨年2月から毎月1回、市政便りから在住外国人の生活に必要な情報を抜粋し、やさしい日本語で"翻訳"した生活情報誌を発行。担当者は「市内には100カ国以上の外国人が住んでおり、英語や中国語だけの案内では不十分。簡単な日本語ならより多くの人に情報を届けられる」と話す。

やさしい日本語を研究している弘前大の佐藤和之教授(社会言語学)は「被災時に活用するためには普段から使い慣れておくことが重要」と各地の取り組みを評価。一方で、「救急車」を「きゅうきゅうしゃ」と平仮名に書き換えただけなど、外国人が理解しにくいケースも目立つといい、「本当に伝わるかどうかを確かめながら普及させていくことが重要だ」と話している。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]