2019年7月23日(火)

大たいまつ担ぎ半世紀 東大寺「お水取り」支える

2014/3/17付
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古都奈良に春の訪れを告げる東大寺のお水取り(修二会、しゅにえ)を、半世紀にわたり裏方で支える寺職員の男性がいる。僧侶の付き人として巨大なたいまつを担ぐ「童子」役の野村輝男さん(70)=奈良市=だ。今年も長さ6メートル、重さ40キロの大たいまつを担ぎ、大役を果たした。

童子は、法会に携わる11人の僧侶「練行衆」に付く身の回りの世話役。3月1~14日の本行の期間中、手作りのたいまつを担ぎ、夜間の行のため東大寺二月堂に向かう練行衆の足元を照らすのが重要な仕事だ。

野村さんは16歳で東大寺の付属図書館に就職。17歳で修二会を補佐する男衆となり、26歳以降は童子役をしてきた。

童子は練行衆を堂まで先導した後、欄干にたいまつを突き出し、勢いよく駆け抜ける。普段は表に出ない童子の晴れ舞台だ。「見ている人にも炎が美しく見えるように」。花吹雪のような火の粉を散らす最古参のたいまつに、毎年多くの参拝客が息をのむ。

特に、重さが通常の倍近い約70キロの「籠たいまつ」を担ぐ3月12日は、少しのやけどは覚悟で挑む最大の見せ場。「何度持っても毎回緊張する」というこの日は必ず、堂下で妻の与志子さん(69)や娘がそっと見守る。

「好きやから」と続けてきた童子の仕事も「ここ10年は毎年、体力との勝負」。今年は長年の激しい動きを支えた腰を痛め、籠たいまつを初めて若手に託した。「仮にけがでもしたら、みんなに迷惑がかかる」。大事を取った選択だった。

「今年で最後になるかもしれない」。そんな思いもよぎったが、気持ちも体力もまだまだ現役。本行を締めくくる3月14日の夜、野村さんは白い月が輝く二月堂の上で力強くたいまつを振った。赤い炎が生き生きと輝く笑顔を照らした。〔共同〕

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