2019年6月25日(火)

気象予報士、活躍の場広がらず 20年で9000人誕生

2014/6/18付
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天気予報を民間に広げるために始まった気象予報士試験が今年8月で20周年を迎える。これまでの計41回の試験で合格率5.7%の狭き門を突破し、予報士として登録したのは計9054人。人気資格として定着したが、天気予報を職業としている割合は1割に満たないとみられ、活躍の場をどう広げるかが課題となっている。

「今から雲を作ります」。6月中旬、東京都品川区の区民センターの一室。気象予報士で東京都町田市の主婦、島田賀子さん(55)が子供たちに声をかけた。水とアルコールを入れて空気圧を高めたペットボトルのキャップを開けると、雲状の白いもやが現れる。気圧差で雲が発生する原理を間近に見た子供たちから歓声が上がった。

親子向けの気象教室を開く「サニーエンジェルス」の活動風景だ。予報士の資格を生かす場がないことに不満を感じていた島田さんら女性予報士3人が「子供の理科離れ防止に一役買えるのではないか」と考え、2010年に結成した。

結成4年目で全国61人の女性予報士が参加し、多い月にはほぼ毎週、教室を開く。メンバーの山本由佳さん(49)は「活躍の場がなく、くすぶっている予報士の受け皿としても続けていきたい」と話す。

予報士の資格は1993年の気象業務法の改正で気象庁以外の民間事業者などが天気予報を発表できるようになったのに伴って設けられた。テレビのお天気キャスターらの活躍などで資格の認知度は高まった。しかし、テレビ局や気象情報会社で働く予報士は全体の1割弱にとどまる。

予報士の就業支援事業を手掛ける「クリア」(東京・港)には毎年80人程度が登録するが、テレビ局などでの仕事につながるのは年10人程度。「職業にするには話術や独自の分析力などが重要。資格があるだけでは通用しない」(斎藤義雄取締役)という。

予報士試験を実施する気象業務支援センター(東京・千代田)によると、今年1月にあった13年度の2回目の受験者数は3391人で、ピーク時(06年度の1回目)の3分の2に減った。合格者の平均年齢は5.5歳上がり、38.8歳になった。若月正幸常務理事は「10~20代の受験者が減った。資格を将来に生かす道が見えにくいのかもしれない」と人気の陰りの背景を分析する。

有能な予報士を育成し活躍の場を広げようと、約3300人の予報士が加盟する日本気象予報士会(東京・千代田)は独自の認証制度をつくる計画だ。同会が認めた講座を受けたり、学会誌に論文を発表したりすると、ポイントを付与。3年間で一定のポイントを取った人を「CPD認定気象予報士」とする。

同会の平松信昭副会長は「予報士の資格は一生涯有効で、外から見ると優劣が分からない。制度を定着させて、認定予報士が採用の場などで有利になるような環境をつくりたい」と話している。

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