次々と星誕生、銀河団を発見 NASAなど
【ワシントン=共同】過去に観測されたことがないほどの勢いで新たな星を生み出している銀河団を、地球から57億光年離れた宇宙で発見したと、米マサチューセッツ工科大や米航空宇宙局(NASA)のチームが15日発表した。ほうおう座(英語名フェニックス)の方向に位置するため「フェニックス銀河団」と名付けた。
銀河団は数十から数千個の銀河が集まった天体。フェニックス銀河団はこれまで見つかった中でも最大級で、中心近くから噴き出す熱いガス状の物質が冷える過程で、おびただしい数の星が次々に形成されていた。ガスから放出されるエックス線をNASAの宇宙望遠鏡チャンドラが観測し、こうした状況が分かった。
通常の銀河団は中心にあるブラックホールが激しく活動するため、ガスが冷えにくく星の形成が緩やか。フェニックス銀河団のブラックホールは巨大だが活動が弱く、ガスが冷えて星ができる条件がそろっているとチームは考えている。