大規模噴火、広域避難を 47火山対象に内閣府検討会が提言

2013/5/16付
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内閣府の有識者検討会は16日、火山の大規模噴火に備えるため、都道府県を越えた広域避難計画をつくる必要があるとの提言をまとめた。現在は自治体の判断で出している避難指示について、国の関与を強め、緊急時は政府が首長に発令を指示できるようにすることも求めた。対象は富士山や桜島など47の活火山。政府は提言を受け、防災基本計画を見直す。

検討会は東日本大震災後に国内の火山活動が一時的に活発になったことなどから備えの強化が必要と判断。座長の藤井敏嗣東京大名誉教授は「大地震と大噴火が連動した9世紀や18世紀と似た状況になっており、大規模噴火が起きてもおかしくない」と話した。

現行の防災基本計画は火山災害として、数十~数百人の避難者が出る規模しか想定していないが、提言は、噴出量が数十億立方メートルになる大規模噴火や、小規模でも長期の噴火では、火砕流や降灰などで数千人規模の避難者が出ると指摘。

規模に応じた複数の火山ハザードマップを作るとともに、広域避難を想定し、都道府県や市町村の間で住民の受け入れ先をあらかじめ決めておく「広域一時滞在協定」を結ぶ必要があるとした。

火山灰が数センチ積もると車での移動が難しくなるとして、自治体に、鉄道やバス、船などの事業者と住民を移送する協定を事前に結ぶよう求めた。

小規模な噴火が続くなど大噴火の懸念が出た時点で、政府は現地連絡対策室を設置して地元自治体と合同会議を開催。大噴火の可能性が強まった場合は、国が知事や市町村長に避難指示を出すよう命じられるような法的整備の検討も求めた。

政府に火山専門の調査研究機関を設置し観測態勢を強化。専門家などの人材育成も求めた。

検討会は、43人が犠牲になり避難者が約3600人に上った1991年の雲仙・普賢岳(長崎県)の大火砕流や、関東まで火山灰が降った1707年の富士山噴火などを念頭に対策をまとめた。

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