食物アレルギーの児童生徒45万人 9年で12万人増
文科省調査
食物アレルギーのある公立小中高校の児童生徒が全国で約45万4千人(全体の4.5%)に上ることが16日、文部科学省の全国実態調査で分かった。2004年の前回調査の約33万人(同2.6%)に比べて約12万4千人増加。呼吸困難や腹痛、じんましんなどの「アナフィラキシー」症状を起こした経験がある子供は約4万9千人(0.5%)おり、約3万1千人増えた。

給食を提供する小中学校579校を対象にした抽出調査では、約4千人に食物アレルギーがあり、このうち原因食品を取り除いた給食を提供されている児童生徒は61.1%だったことも判明した。
調査結果は16日、学校給食の食物アレルギー対策を検討する文科省の有識者会議で報告。同省は「調査結果を詳細に分析し、年度末にまとめる再発防止策に反映させたい」としている。
調査は、昨年12月に東京都調布市の市立小学校で乳製品にアレルギーのある女子児童が給食後、アナフィラキシーショックを起こして死亡した事故を受け、文科省が8月、1015万人の児童生徒を対象に実施した。
調査によると、食物アレルギーのある子供は小学生が21万人、中学生が11万4千人、高校生が6万7千人で、いずれも前回調査から増えた。学校種別が分からない子供は約6万1千人いた。
誤って原因食材を食べた際にショック症状を緩和する自己注射薬の「エピペン」を保持していた子供は2万7千人。今年8月までの約5年間で学校内でエピペンを使用したケースは408件あり、使用者は本人の122件が最多だった。