昨年1年間の全国の自殺者数は前年に比べ663人(2.4%)少ない2万7195人で、4年連続の減少となったことが16日、警察庁のまとめ(速報値)で分かった。前年に続いて3万人を切った。
昨年1~11月ベースで前年と比較したところ、70代と80歳以上を除く各年代で減少しており、経済・生活問題を動機とする自殺者が減った。年間の世代別内訳や動機は3月に発表される。
内閣府自殺対策推進室の担当者は、2009年度に創設された地域自殺対策緊急強化基金により、「市区町村単位で自殺を防ぐ活動に取り組みやすくなった効果が出ている」と分析しているが、「引き続き対策が必要」としている。
年間の自殺者数は、警察庁が統計を取り始めた1978年から97年までは2万~2万5千人台で推移。98年からは14年連続で3万人台を記録していた。
統計によると、男性が1万8727人(546人減)、女性が8468人(117人減)。
都道府県別で増加率が高かったのは、香川(18.2%)、島根(13.7%)、京都(11.6%)。減少率が高かったのは熊本(16.1%)、山口(15.6%)、石川(14.7%)だった。
1~11月ベースで、最も減ったのは60代で前年比241人減の4362人。健康問題や経済・生活問題を動機としたケースが減った。次いで20代が212人減の2567人で、鬱病や就職失敗による自殺の減少が目立った。〔共同〕