中国漁船の船長強制起訴 尖閣沖衝突事件
2010年に起きた沖縄県・尖閣諸島付近の中国漁船衝突事件で、検察官役の指定弁護士が15日、海上保安庁の巡視船「みずき」に衝突したとする公務執行妨害などの罪で、那覇検察審査会が起訴議決していた中国人の●其雄(せん・きゆう)船長(42)を強制起訴した。
船長は既に釈放され帰国。裁判所が起訴状を船長に送るが、起訴状が2カ月以内に送達されなければ起訴は効力を失い、公訴棄却となる。記者会見した指定弁護士は「有罪の立証は十分できる」とした上で「(裁判所が)起訴状を送達し、公判が開かれてほしい。厳しい状況があるのは認識している」と話した。
起訴状によると、船長は10年9月7日、尖閣諸島の久場島付近の領海内で違法に操業。漁船を石垣海上保安部所属の巡視船「よなくに」「みずき」に衝突させて艦船を損壊し、「みずき」に乗船していた海上保安官らの職務執行を妨害したとしている。
那覇地検は2度不起訴処分にしたが昨年7月21日、那覇検察審が「船長の行為は人命を危険にさらす無謀なもので、起訴すべきだ」と議決していた。〔共同〕
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