ヒッグス粒子の次を狙え 新加速器は全長31キロ
国際チームが設計書
1000人を超す科学者らが参加する国際共同研究チームは15日、次世代加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の設計書が完成したと発表した。質量の起源とされるヒッグス粒子などを詳しく調べ、宇宙の起源をはじめ現代物理学が抱える謎の解明を目指す。2015年ごろをメドに各国の合意を得て建設を始め、20年代半ば以降に完成させる計画だ。

ILCはヒッグス粒子とみられる新粒子を発見した欧州合同原子核研究機関(CERN)の加速器「LHC」に続く大型計画。建設期間は10年で、費用は来年1月にも決定する。
地下のトンネルに全長約31キロメートルの直線状の加速器を建設する。電子と、プラスの電気を帯びた陽電子をほぼ光の速さで正面衝突させ、宇宙誕生直後の世界を再現。衝突で生じる様々な素粒子を検出器で詳しく調べる。ヒッグス粒子のほか、宇宙を覆う謎の暗黒物質などの正体を突き止める。
日本では東北の北上山地と九州の脊振山地が候補地に挙がっている。米国、ロシアなどが誘致に動いているが、科学者の間では日本を支持する声が多いという。