小保方氏が博士論文取り下げの意向 博士号取り消しも
英科学誌ネイチャーに新型万能細胞「STAP(スタップ)細胞」の論文を発表した理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーが、早稲田大に提出した博士論文を取り下げる意向を早大側に伝えていたことが15日、分かった。
早大広報課によると、小保方氏が最近、学内の教員にメールで取り下げの意向を示した。今後、大学へ正式な申し出が来れば、対応を検討するとしている。博士号の取り消しにつながる可能性が出てきた。
2011年に博士号を取得した論文は、骨髄から採取した細胞がさまざまな細胞に変化できることを示した内容。約100ページのうち冒頭の約20ページが米国立衛生研究所(NIH)のサイトとほぼ同じ記述だとの指摘や、実験の結果を示す画像がバイオ系企業のサイトにある画像と酷似しているとの指摘が寄せられ、早大が調査している。
小保方氏が論文を取り下げる意向を示した理由について、広報課は「教員とのプライベートなやりとりなので言えない」としている。
一方、ネイチャー誌はSTAP細胞の論文について、サイトの14日付のブログ記事で「全著者の同意がなくても、論文の主な結論を支える証拠がなければ、撤回することがあるかもしれない。異議を唱える著者がいれば、その旨を明記する」との同誌広報担当者の見解を掲載した。
理研は14日、STAP細胞の論文には博士論文と同じ画像が使われるなど「重大な過誤があった」との中間報告を発表した。〔共同〕