2019年9月20日(金)

歌会始の歌

2013/1/16付
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天皇、皇后両陛下、皇族方、召人、選者、入選者の歌は次の通り。

天皇陛下

万座毛(まんざもう)に昔をしのび巡り行けば彼方(あがた)恩納(おんな)岳さやに立ちたり

皇后さま

天地(あめつち)にきざし来たれるものありて君が春野に立たす日近し

皇太子さま

幾人の巣立てる子らを見守りし大公孫樹の木は学び舎に立つ

皇太子妃雅子さま

十一年前吾子の生れたる師走の夜立待ち月はあかく照りたり

秋篠宮さま

立山にて姿を見たる雷鳥の穏やかな様に心和めり

秋篠宮妃紀子さま

凜として立つ園児らの歌ごゑは冬日の部屋にあかるくひびく

常陸宮妃華子さま

蕗のたう竹籠もちて摘みゆけばわが手の平に香り立ちきぬ

三笠宮妃百合子さま

俄かにも雲立ち渡る山なみのをちに光れりつよき稲妻

高円宮妃久子さま

冬晴れの雲なき空にそびえ立つ雪の大山いともさやけき

高円宮家長女承子さま

立ちどまり募金箱へと背伸びする小さな君の大きな気持

高円宮家次女典子さま

庭すみにひそやかに立つ寒椿朝のひかりに花の色濃く

高円宮家三女絢子さま

冴えわたる冬晴れの朝畦道にきらきら光る霜柱立つ

▽召人(敬称略)

岡野弘彦

伊勢の宮み代のさかえと立たすなり岩根(いはね)にとどく心(しん)のみ柱

▽選者(敬称略)

岡井隆

やうやくに行方見え来てためらひの泥よりわれは立ち上がりたり

篠弘

ゆだぬれば事決まりゆく先見えて次の会議へ席立たむとす

三枝昂之

すずかけは冬の木立に還りたりまた新しき空を抱くため

永田和宏

百年ばかり寝すごしちまつた頸(くび)を立て亀は春陽に薄き眸(め)を開(あ)く

内藤明

遠き日の雨と光を身に湛へ銀杏大樹はビルの間に立つ

▽入選者(敬称略)

北海道 佐藤マサ子

羽搏きて白鳥の群れとび立てり呼び合ふ声を空へひろげて

埼玉県 若谷政夫

ほの白く慈姑(くわゐ)の花の匂ふ朝明日刈る稲の畦に立ちをり

静岡県 青木信一

自画像はいまだに未完立て掛けたイーゼル越しの窓が春めく

新潟県 宮沢房良

何度目の雪下しかと訊ねられ息をととのへ降る雪に立つ

群馬県 鬼形輝雄

いつせいに蚕は赤き頭立て糸吐く刻をひたすらに待つ

新潟県 高橋健治

吹く風に向へば力得るやうな竜飛岬の海風に立つ

福島県 金沢憲仁

安達太良の馬の背に立ちはつ秋の空の青さをふかく吸ひ込む

栃木県 川俣茉紀

ネクタイをゆるめず走る君の背を立ち止まらずに追ひかけるから

大阪府 瀬利由貴乃

人々が同じ時間に立ち止まり空を見上げた金環日食

東京都 太田一毅

実は僕家でカエルを飼つてゐる夕立来るも鳴かないカエル

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