「地域の宝」焼失に落胆 映画ロケ地の長野・浦里小

2012/9/15付
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大正時代の建築で多くの映画やテレビドラマのロケ地になっていた長野県上田市立浦里小学校の木造旧校舎が、5日夜に火災で全焼した。児童92人にとってかけがえのない場所だっただけでなく、「地域の宝」といえる校舎の焼失に映画関係者や地元住民らにも落胆が広がっている。

「石造りの校門に、木造校舎と松の木があり、日本の原風景といえる姿だった」。映画監督の神山征二郎さん(71)は、映画「ひめゆりの塔」など6作品を浦里小で撮影した。火事の知らせを聞き、10日に直接現場を訪れて「大事なものが消えた寂しさがある」と肩を落とした。

火災は5日午後10時ごろ発生。1924年建築の旧校舎と、低学年の教室があった50年建築の木造校舎が全焼した。長野県警は2棟の校舎をつなぐ渡り廊下付近から出火したとみているが、原因は分かっていない。

ロケの誘致と支援をする信州上田フィルムコミッションによると、旧校舎は昔の学校としてだけでなく、兵舎に見立てられるなど、さまざまな形で作品に使われてきた。

火災後は映画やテレビドラマの制作会社から多数の問い合わせや連絡が寄せられ、同コミッションの原悟さん(33)は「全国的にみても貴重な建物。関係者のショックは大きい」と話した。

小1と小3の息子を持つ母親(34)は、火災の翌朝に学校がなくなったことを伝えた。最初は実感のなさそうだった長男(9)も、しばらくして「僕が夏休みに一生懸命作った自由研究も燃えちゃったの」とつぶやいたという。

火災後、焼失を免れた高学年の校舎を使って10日から授業を再開。柳町照明教頭は「元気に登校する様子に安心した。今は悲しくつらいが、子どもたちを豊かに育てることが第一。前を向いて進みたい」と話した。〔共同〕

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