蛍で町おこしピンチ 北海道、ゲンジボタル規制対象に?

2013/8/15付
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 蛍で町おこしを進めてきた北海道沼田町が道の外来種規制条例で揺れている。町では、道内で外来種に区分されるゲンジボタルの幼虫が放流、保護されてきたためだ。規制される動植物は今後、専門家の協議で決まるが、関係者は「規制対象になれば町への影響は大きい」と困惑している。

 本州以南に生息するゲンジボタルが町に持ち込まれたのは1988年。在来種のヘイケボタルが減り、交流のあった岐阜県可児市の団体から幼虫約20匹を譲り受けたのが始まりだ。

 沼田町は90年ごろ、蛍を使った町おこしに着手。観賞用ドームなどを整備し「ほたるの里」を造った。有志による沼田町ホタル研究会が養殖で増やしたゲンジとヘイケの幼虫約2万匹を放流すると、町は91年に蛍の捕獲を禁止して増殖を図る「ほたる保護条例」を制定した。

 放流は既にやめたが、現在ほたるの里や周辺の河川にゲンジとヘイケが多数生息する。例年、シーズンの7~8月には約3万人の観光客が訪れる「貴重な観光資源」(同町)だ。

 一方、国内の本来の生息地から他の地域に持ち込まれた国内外来種問題について、環境省は2010年の生物多様性国家戦略の改定で、防除や適正管理などの対策を打ち出した。

 道も今年4月、道内特有の生態系を守ろうと「北海道生物の多様性の保全等に関する条例」を制定。道内の動植物に著しい悪影響を及ぼす恐れがある外来種を指定し、野に放すことを禁じたほか、必要があれば駆除も進めるとした。

 ゲンジボタルは道の外来種リストで生態系への影響が懸念される昆虫に区分されている。13年度中に始まる予定の選定で指定外来種になるかについて、道は「白紙」とするものの、規制対象になる可能性もある。

 町は静観しているが、町が条例をつくった当時に町長だった篠田久雄さん(83)は町と専門家らが蛍との関わりを協議する場の設置を求める。

 日本自然保護協会(東京)によると、外来種に関する知識が少なかった時代には、環境への影響に気付かぬまま動植物が持ち込まれた事例が各地にある。北海道大大学院の池田透教授(保全生態学)は「もともといた生物の復活を図る対策の実施を目指すべきだ」と提案している。〔共同〕

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