「また爆発か」住民からあきらめや怒りの声 福島原発2号機

2011/3/15付
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「また爆発か……」。爆発が起きた福島第1原発から約50キロの川俣小学校体育館(福島県川俣町)。15日朝、体育館の舞台上に置かれた1台のテレビが第2号機爆発のニュースを伝えると、避難住民からは、あきらめや怒りの声が上がった。同体育館には、原発がある双葉町などから約1300人が避難している。

「もう何を信じていいか」。双葉町の無職、高玉明夫さん(52)は15日朝、福島第1原発2号機の格納容器の欠損を伝えるニュースを見て吐き捨てるように言った。「東電や国は安心させるような言葉を伝えているが、事態は悪化の一方だ」

両親と近隣のお年寄り2人を連れて川俣町内に避難。原発に万が一のことがあった際に避難することを考え、半分程度のガソリンが残った自家用車は使わず、日用品の買い出しは数時間かけて歩いている。「ギリギリになって避難しろと言われても渋滞する。悪いことはまず住民に説明してほしい」と訴えた。

浪江町の漁業、叶谷深幸さん(40)は「東電への不信感は限界」と話し、15日朝、川俣町内の避難先から親類が住む山形県最上町へ家族で出発した。同じ避難先からは3号機で爆発が起きた14日以降、「何が起きるか分からない」という理由で、県外へ出る人が増えているという。

自宅は全壊を免れたが、割れた窓ガラスを修理できないまま避難を余儀なくされた。「原発から飛散した放射性物質が自宅に入っているかもしれない。いつか戻れる日が来るのか……」と目に涙を浮かべてうなだれた。

怒りは国にも向けられた。避難中の主婦、前田孝子さん(60)は、体育館に置かれたテレビで、第1原発のトラブルを伝えるニュースを食い入るように見ていた。「国は『安全のために全力を挙げる』と言うが東電任せではなかったか。地震から無事に避難できても、放射線を浴びては意味がない」と憤った。

「なんでこんなに対応が遅いんだ」と憤るのは、第1原発で建設工事を請け負っていた建設業男性(45)。「圧力容器内の水位が下がった時点で、容器の下部から水が漏れていたことは明白」。すぐに容器内の圧力を抜き、廃炉覚悟でホウ酸水を入れていれば深刻な被害は避けられたと断言する。「11日の午後5時くらいまでは天災だったが、後は人災。もうどうしようもない」

「もう何が起きようと驚かないよ」とあきらめの表情を浮かべるのは、第1原発から10キロ圏内に自宅があるという無職、水野文雄さん(65)。家族と過ごす避難所生活も5日目だが、他県に避難したくても、車のガソリンが少なくあてもないという。「国も東京電力もここまできて説明はしてくれない。もう家には二度と帰れないかもなあ」と、つぶやいた。

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