歌会始の歌

2014/1/15付
保存
共有
印刷
その他

天皇、皇后両陛下、皇族方、召人、選者、入選者の歌は次の通り。

天皇陛下

慰霊碑の先に広がる水俣の海青くして静かなりけり

皇后さま

み遷(うつ)りの近き宮居に仕ふると瞳(ひとみ)静かに娘(こ)は言ひて発(た)つ

皇太子さま

御社の静けき中に聞え来る歌声ゆかし新嘗の祭

皇太子妃雅子さま

悲しみも包みこむごと釜石の海は静かに水たたへたり

秋篠宮さま

数多なる人ら集ひし遷御の儀静けさの中御列(ぎよれつ)は進む

秋篠宮妃紀子さま

いくつものボビンを子らは繰(く)りながら静かにイドリアレースを編めり

秋篠宮家長女眞子さま

新雪の降りし英国の朝の道静けさ響くごとくありけり

常陸宮妃華子さま

秋祭(あきまつり)君の挨拶を聞かむとし子供神輿の子らは静まる

三笠宮妃百合子さま

思ひきや白寿の君と共にありてかくも静けき日々送るとは

三笠宮家寛仁親王妃信子さま

わが君と過ごせし日々を想ひつつ静かにながるるときありがたき

三笠宮家彬子さま

夏の夜に子らと集ひし大社(おほやしろ)静寂(しじま)の中に鈴の音聞きぬ

高円宮妃久子さま

灯籠のあかりともれる回廊を心静かに我すすみゆく

高円宮家長女承子さま

静けさをやぶる神社の鳥の声日の落ちてよりいづる三日月

高円宮家次女典子さま

かすみゆく草原(くさはら)に立ち眺むればいとど身に沁む静けさのあり

▽召人(敬称略)

芳賀徹

子も孫もきそひのぼりし泰山木(たいさんぼく)暮れゆく空に静もりて咲く

▽選者(敬称略)

岡井隆

朝霧のながるるかなた静かなる邦あるらしも行きて住むべく

篠弘

一瞬の静もりありて夕駅へエスカレータは下(くだ)りに変はる

三枝昂之

から松の針が零れる並木道みんな静かな暮しであつた

永田和宏

歳月はその輪郭をあはくする静かに人は笑みてゐるとも

内藤明

手に載せて穴より覗く瓢箪の静けき界に心はあそぶ

▽入選者(敬称略)

愛知県 伊藤正彦

いなづまのまたひらめきし静かなる窓ひとつあり夜をひとりあり

山口県 中西輝磨

目の生れし魚の卵をレンズもて見守る実験室の静けさ

徳島県 藤本和代

おほいなる愛のこもれる腎ひとつ静かに収まる弟の身に

北海道 佐藤真理子

プレートよ静かにしづかに今しがた生まれたひとりが乗らうとしてゐる

群馬県 山口啓子

ひとり住む母の暮しの静かなり父のセーター今日も着てをり

大阪府 前田直美

嫁ぐ日の朝(あした)に母は賑やかに父は静かに食卓囲む

福島県 冨塚真紀子

吾の名をきみが小さく呼捨てて静かに胸は揺らいでしまふ

東京都 樋口盛一

静けさを大事にできる君となら何でもできる気がした真夏

東京都 中島梨那

二人分焼いてしまつた食パンと静かな朝の濃いコロンビア

新潟県 加藤光一

続かない話題と話題のすきまには君との距離が静かにあつた

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]