みなし労働制、二審も不適用 添乗員の残業代請求訴訟
添乗員に「事業場外みなし労働制」は適用されないとして、派遣添乗員の豊田裕子さん(54)が阪急トラベルサポート(HTS、大阪市)に未払い残業代など計約112万円の支払いを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は14日、全額を認めた一審判決を変更し、約102万円に減額した。
制度は労働基準法で定められており、会社の指揮・監督が及ばず、労働時間の算定が困難な場合に一定時間働いたとみなされるが、判決は一審同様に適用を否定した。添乗業務をめぐる同種の訴訟は、一審の結論が分かれており、高裁段階での初判断。
福田剛久裁判長は「旅行行程の指示書や、添乗員が出発や到着時刻などを詳細に記載した日報があり、添乗は労働時間を算定し難い業務に当たらない」とし、記録が残っていない一部のツアーを除く未払い残業代を約51万円と算定。労基法が制裁的な意味合いで規定している同額の「付加金」も一審に続き認めた。〔共同〕