2019年9月18日(水)

胆管がんで3月中に労災認定 厚労省、大阪の印刷会社16人に

2013/3/14付
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印刷会社の元従業員らが相次いで胆管がんを発症した問題で、厚生労働省は14日、大阪市の印刷会社「サンヨー・シーワィピー」で働いていた16人を労災認定すると決めた。同省の専門家検討会が同日、「印刷機の(インクを落とす)洗浄剤に含まれる化学物質が発症原因と医学的に推定できる」との報告書をまとめた。申請を受けた労働基準監督署が3月中に認定する。

今回の問題では、死亡後5年を過ぎて労災申請上の時効が成立した人もいるが、厚労省は今月15日を時効の起算点とすることも決めた。

同じ職場で胆管がんを集団発症するという異例の事態は、昨年3月の労災申請開始から約1年で早期救済される形となった。胆管がんが労災認定されるのは初めて。

厚労省によると、印刷会社に勤務し、胆管がんを発症したとして労災申請したのは2月末現在で計64人(うち申請時の死亡39人)。今回の16人(同7人)以外の残る48人(同32人)も検討会で順次判断する。

16人は印刷見本をつくる校正印刷部門に在籍。昨年9月に設置された検討会では、洗浄剤に含まれる2つの化学物質「1、2ジクロロプロパン」「ジクロロメタン」を中心に発症との因果関係を議論した。その結果、いずれの化学物質も長期間、高濃度で暴露すると「胆管がん発症の可能性がある」との結論に達した。

その上で、16人について(1)慢性ウイルス性肝炎など胆管がんを誘発する病歴がない(2)3年8カ月~13年2カ月の長期間にわたり高濃度の化学物質を暴露した(3)校正印刷部門の胆管がん発症率は日本人男性平均の約1200倍になる――などの理由から業務との因果関係を認めた。

サンヨー社での2つの化学物質の使用状況などを考慮すると、長期間使っていた「1、2ジクロロプロパン」で発症した可能性が極めて高いと指摘。使用期間が限定的だった「ジクロロメタン」については16人の発症に与えた影響については不明で原因とは認定できなかった。同社では16人のほかに元従業員の男性1人が今年2月に労災申請しており、厚労省は検討会での審査を経て労災認定する方針。

「ジクロロメタン」は健康被害防止が企業に義務付けられているが、厚労省は「1、2ジクロロプロパン」についても省令改正して規制対象に指定する方針。

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