検察、被害者住所漏らす 地検川崎支部 性犯罪事件の被告に

2013/6/14付
保存
共有
印刷
その他

横浜地検川崎支部が昨年秋、強制わいせつ事件の被害女性の住所と電話番号が書かれた捜査書類をそのまま加害者側の弁護人に渡し、男性被告(82)=一審有罪、控訴=に情報が漏れていたことが13日、関係者への取材で分かった。

地検は「急いでいたため隠し忘れた」とミスを認め、川崎市に住む30代の被害女性に謝罪した。女性は被告側の嫌がらせを受ける不安から、転居を余儀なくされたなどとして、7月にも国に損害賠償を求めて提訴する。

弁護士によると、女性はホームヘルパーを務めており、地検支部は昨年7月、自宅に派遣されて来た女性の下着に手を入れ、無理やり胸に触ったなどとして、強制わいせつ罪で被告を起訴した。

検察側は公判での証言を女性に依頼する際「名前と年齢以外は被告側に明らかにしない」と約束したが、昨年10月末~11月初めごろ、告訴の経緯をまとめた捜査報告書を、女性の住所などを伏せないまま弁護人に郵送。弁護人はこの書類を被告に渡した。

被告は今年3月、横浜地裁川崎支部で懲役2年6月の判決を受け控訴。5月下旬、控訴審の弁護人から女性宅に示談を申し入れる手紙が届き、「なぜ住所を知っているのか」と東京高検に確認してミスが発覚した。

地検支部の山下純司支部長は6月、女性宅を訪問し謝罪。女性は電話番号を変えて家族とともに近く引っ越す予定で、精神的苦痛を受けた慰謝料と引っ越し費用などの損害賠償を求める方針。

昨年11月に神奈川県逗子市で起きたストーカー殺人事件では、警察官が逮捕状執行時に被害者の住所の一部などを読み上げたことが問題化した。女性の代理人の弁護士は「被害者を守るのは捜査機関の重要な役目なのに、正反対の対応だ」と批判している。〔共同〕

保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

電子版トップ



[PR]