100歳以上、初めて5万人超える 厚労省調査

全国の100歳以上の高齢者が過去最多の5万1376人となったことが14日、「敬老の日」を前にした厚生労働省の調査で分かった。前年より3620人増え、1963年の調査開始以来初めて5万人を超えた。増加は42年連続で、特に過去3年間で1万人増と高齢化が急速に進んでいる。人口10万人当たりの人数を都道府県別に見ると、高知が40年ぶりにトップになるなど「西高東低」になっている。
住民基本台帳に基づき、15日時点で100歳以上となる高齢者数を、都道府県を通じて1日現在で集計した。今年度中に100歳になる人も前年比871人増の2万5823人と、過去最多を更新した。
100歳以上の高齢者の内訳は女性が4万4842人(87.3%)、男性が6534人(12.7%)。女性の占める割合は過去最高。今年度中に100歳になる高齢者は女性が2万2082人(85.5%)、男性が3741人(14.5%)。
100歳以上の人数を都道府県別にみると、東京が4429人で最多。大阪2694人、神奈川2648人と続いた。
人口10万人当たり人数は西日本で多い傾向が以前から続いており、今回も上位10県は中国地方以西の各県が占めた。昨年まで2年連続1位だった島根を抜き、トップとなった高知は全国平均(40.20人)の2倍近い。
高知県の担当者は「60代以降の死亡率が全国平均に比べて低いうえ、人口の自然減が90年から始まっていることが要因」と分析。「長寿には気候が温暖なことも影響しているのかもしれない」と話す。一方、下位の県は関東地方が多く、大都市圏では若い世代の転入が多いことが影響しているとみられる。
100歳以上の人数は調査開始の63年は153人だったが、98年に1万人を突破。2007年に3万人、09年に4万人を超えた。
11年の日本人の平均寿命は男女とも前年を下回ったが、厚労省は「東日本大震災の影響が大きく、寿命の伸びが頭打ちになったわけではない」としており、今後も100歳以上人口は増加が続くとみている。