2019年7月19日(金)

放射線知識学ぶ副読本 文科省、小中高向け

2011/10/14付
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文部科学省は14日、放射線の基礎知識を学ぶため、新たに作成した小中高校生向けの副読本を公表した。福島第1原子力発電所事故で児童生徒や保護者の不安が高まり、どう教えるか悩む教員が多いことに対応した。放射線の性質や人体への影響、身の守り方などを紹介する一方、同原発事故には本文では言及しなかった。

今月末にも全国の国公私立の小中高校と教育委員会に1部ずつ計約8万部を配布し、希望に応じて増刷する。14日からホームページでも公開。実際に授業で使うかは学校の自由という。

小中高別に3種類あり、A4判約20ページ。それぞれに対応した教員向け解説資料も作った。放射線が原発事故前から自然界に存在すると紹介。風邪のように伝染することはなく、医療や産業での利用例を挙げ、不必要に恐れないよう呼び掛けた。

大量に浴びるとやけどを負ったり、がんになったりすると明記。「100ミリシーベルト以下の低線量と病気との関係については明確な証拠はない」が、健康リスクを考え被曝(ひばく)量はできるだけ少なくすべきだとした。

原発事故などの際は放射性物質が体内に入るのを防ぐため、マスクを着け、規制値を超えた食品はとらないなど注意点も盛り込んだ。

福島第1原発事故は冒頭部分で作成の背景として言及したが、本文では触れていない。

同省は昨年度、原子力と放射線に関する副読本を初めて作成したが、事故後、原発の安全性を強調した部分が不適切と批判を受けたため、作り直すことを決定。現職教員や放射線専門家ら外部有識者13人による作成委員会(委員長=中村尚司東北大名誉教授)が編集し、日本医学放射線学会など4団体が監修した。

同省は編集方針について「作成委が議論し、放射線の基礎知識に絞った」と説明。原子力や原発に関する教育は「政府のエネルギー政策の方向性が決まった段階で検討する」としている。

放射線の授業は「脱ゆとり教育」の新学習指導要領に基づき、今年度から約30年ぶりに中学校で復活した。ただ指導法などのノウハウは乏しく、教え方に頭を悩ませる教員が多かった。

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