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成年後見で選挙権喪失は違憲 東京地裁判決

知的障害などで判断能力が十分でない人の財産管理を支援する「成年後見制度」を利用すると選挙権がなくなる公職選挙法の規定は違憲だとして、茨城県牛久市の女性が選挙権があることの確認を国に求めた訴訟の判決で、東京地裁の定塚誠裁判長は14日、違憲と判断、女性の選挙権を認める判決を言い渡した。

同規定の合憲性を巡る司法判断は初めて。制度利用者は約13万6千人(最高裁調べ、2012年末現在)に上り、選挙制度改正に向けた議論が活発化しそうだ。

訴えていたのは、ダウン症の名児耶(なごや)匠さん(50)。同制度を利用して07年、父親が契約などの法律行為を代理できる後見人となったため、選挙で投票できなくなった。

公選法は「成年被後見人は選挙権を有しない」と規定。訴訟では(1)能力によって国民の選挙権を制限すべきか(2)制限が必要だとしても、成年後見を受けているかどうかを基準とすべきか――などが争われた。

訴訟で原告側は「憲法は個人の尊重や法の下の平等を保障しており、能力による選挙権の制限は許されない」と主張。「仮に制限が必要だとしても、財産管理能力が問題となる成年後見制度の利用の有無を基準とすべきではない」と訴えた。

被告の国側は「他人に影響されて不正な投票を行う危険性があり、選挙権行使には一定の能力が必要。制限を設けることは選挙制度を定める国会の裁量の範囲内だ」と反論していた。

同種訴訟は各地で3件起こされ、札幌、さいたま、京都の各地裁で継続中。

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