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パチンコ店40グループ、1000億円申告漏れ 国税調査

全国各地でパチンコ店を運営する約40グループが東京国税局などの一斉税務調査を受け、少なくとも総額約1千億円の申告漏れを指摘されたことが13日までに、関係者への取材で分かった。各グループは会社分割などを利用し、不動産の含み損を損金計上していたが、国税当局は一連の税務処理を租税回避行為にあたると判断したとみられる。

こうした「節税策」は東京都内で事務所を運営していた元税理士が指南。指摘を受けたのは、いずれも数店から数十店のホールを展開する準大手で、大半は修正申告したとみられる。国税当局は巨額の申告漏れに至った経緯を調査しているもようだ。

元税理士が指南した主な節税策は、国が2001年に導入した、企業の合併や分割を円滑に進めるための企業組織再編税制を利用したもの。同制度は、不動産などを100%子会社に現物出資する際、簿価のままで不動産の所有権を子会社に移し、親会社に時価との差額の損益を発生させない規定を盛り込んでいる。

関係者の話によると、元税理士の顧客の各グループは、本体会社(親会社)が会社を分割したうえで、時価の評価額が簿価より低い不動産を新会社に現物出資する一方、新会社の株式を取得し、不動産が抱えた含み損を本体会社の損金として計上。子会社を設立する際には、株主に従業員など第三者を加え、100%子会社ではないように装っていたという。

法人税は収入から損金を引いた額に一定割合をかけて算出されるため、現物出資で損金が増えれば税額も減少する。グループ各社は店舗用の不動産を多数所有しており、地価も下落傾向にあるため、現物出資で多額の損金が計上できたという。さらに、含み損を抱えた子会社の株式を別の子会社に現物出資して損金を計上する手法もあったという。

元税理士は07年3月末に税理士登録を抹消し、税理士事務所の代表取締役も辞任。代理人弁護士は「現在は海外に居住しており、取材には応じられない」としている。

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