2019年7月17日(水)

抗がん剤副作用、救済制度見送り 厚労省が報告書案

2012/7/13付
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厚生労働省は13日、抗がん剤の副作用による健康被害の救済制度創設について、「現時点では制度の導入は結論が出せる段階にない」として、制度創設を見送る方針を固めた。同日開かれた検討会で、これまでの議論をまとめた報告書案を提示。抗がん剤は代わりとなる治療法がないため、重い副作用が一定程度で発生することを前提として使用されていることなどを理由に挙げた。

ただ検討会では委員から「これで議論を終わりにしてはならない」「数年後に制度設計ができる条件がそろえば再検討すべき」といった意見が続出。次回以降の検討会でまとめる報告書には議論を継続する方針が盛り込まれる予定。

救済制度の創設は、肺がん治療薬「イレッサ」の副作用を巡る訴訟で国が昨年1月に裁判所の和解勧告を拒否した際に、当時の細川律夫厚労相が制度創設の検討を表明。厚労省が昨年6月に検討会を立ち上げ、議論を続けていた。

検討会が昨年12月にまとめた中間報告では、すべての抗がん剤を救済対象にすると、がんが進行した患者などは投与と健康被害の判断が難しいと指摘。副作用の少ない一般医薬品を対象にした現行の救済制度の対象に加えるのは困難との意見で合意していた。

13日に示された報告書案は「抗がん剤による副作用と、放射線治療や手術などによる副作用、合併症との区別が難しい」「製薬企業がコスト増加を懸念し、日本での抗がん剤開発に消極的になる可能性がある」ことなどを制度導入への問題点として指摘した。

イレッサ訴訟の原告・弁護団は、制度創設に向けた議論を継続するよう厚労省に求めている。

報告書案は今後、具体的な制度を検討するためには「抗がん剤の使用実態や副作用の発生リスクに関する基礎的なデータの収集・分析体制を整備することなどが必要」とした。

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