発火性高い化合物が火元か 三菱マテリアル工場爆発事故
17人が死傷した三菱マテリアル四日市工場(三重県四日市市)の爆発事故で、熱交換器内部で生成された発火性が高い「シリコシュウ酸」という化合物が火元となり、水素が爆発した可能性があることが13日、四日市工場への取材で分かった。
爆発事故は9日、洗浄のため、作業員が熱交換器のふたを外した直後に起きた。同工場によると、熱交換器の内部には、シリコン製造の過程で、塩素や水素などの化合物「トリクロロシラン」などの残留物が付着する。
水分と反応すると、トリクロロシランをもとに水素が発生するため、水素が急激に発生しないよう、洗浄前に加湿窒素を徐々に流し込んでトリクロロシランを分解して安定した状態にするが、この際、小さな衝撃でも発火する恐れがあるシリコシュウ酸も生成されるという。
四日市工場は「配管内のシリコシュウ酸が何らかの衝撃により発火し、水素爆発が起きた可能性がある」と説明している。〔共同〕