ニホンウナギ「絶滅危惧種」に 乱獲、禁漁求める声
環境省は、極度の不漁が続くニホンウナギを、レッドリストの「絶滅危惧種」に指定する方針を固めた。関係者が13日、明らかにした。開発による生息環境悪化や食用向けの大量漁獲が原因で、個体数の減少傾向が絶滅の恐れがあるレベルに達していると判断された。

レッドリストには法的な規制力はなく、絶滅危惧種に指定されても漁獲や取引は制限されない。だが漁獲量の削減や禁漁を求める声が高まるのは確実で、資源保護が急務だ。
関係者によると、ニホンウナギは「絶滅の恐れがある種(絶滅危惧種)」の3区分のうち、危険度が最も低い「絶滅の危険が増大している種(絶滅危惧2類)」とする方向。
これまではレッドリストで「情報不足」と分類されてきたが、各地の漁獲量など最新の状況を検討し、絶滅の恐れがあるとの結果となった。
絶滅危惧2類は「過去10年間もしくは3世代のどちらか長い期間を通じて30%以上の減少があったと推定され、その原因がなくなっていない」などが要件となる。
環境省はウナギを含む汽水・淡水魚類について、レッドリストの見直し結果を近く発表する。
水産庁などによると、養殖ウナギの「原料」となる稚魚のシラスウナギ漁獲量は年間10トン弱で、ピーク時の1960年代の約230トンから大幅に減少。河川などにすむ親ウナギもピーク時の60年代には3400トン弱の漁獲量だったが、近年は200トンを割るまで減っている。
専門家からは「ニホンウナギの資源は危機的な状況にある」として、親ウナギの禁漁とシラスウナギの漁獲量の大幅な削減などの資源保護策を求める意見も出ている。〔共同〕