iPS細胞から腎臓組織 熊本大、世界初の立体構造

2013/12/13付
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 熊本大の西中村隆一教授らは、人のさまざまな細胞に育つヒトiPS細胞から、複雑な立体構造の腎臓組織を作ることに初めて成功した。老廃物をこしとる「糸球体」と、栄養分や水分を吸収する「尿細管」が再現できた。腎臓移植が必要な患者の皮膚や血液から新たな腎臓組織をつくり、正常な機能を取り戻す再生医療の足がかりとなる。

 iPS細胞のような万能細胞から、腎臓の重要な組織である糸球体と尿細管の立体構造を作ったのは世界初という。研究成果を13日、米科学誌セル・ステム・セル(電子版)に発表する。

 糖尿病などで腎機能が低下し、重症になると人工透析が必要となる。国内の人工透析患者は31万人とされ、年間の医療費は1兆円に及ぶとされる。腎臓を移植する方法もあるが、提供者は不足している。完全な腎臓組織を再生できれば、移植に使えるとみている。

 腎臓は血液をろ過して老廃物などを体の外に出す働きなどがある。哺乳類の腎臓は構造が複雑で、どのようにできるのかが分かっていなかった。

 研究チームはヒトのiPS細胞の培養液にたんぱく質などを加え、下半身の神経や筋肉をつくる幹細胞を作製。次に腎臓のもととなる細胞に変え、糸球体と尿細管を持つ腎臓組織に育てた。マウス実験では尿をつくる機能は確認できなかった。

 今後、完全な腎臓をつくるには膀胱(ぼうこう)と腎臓をつなぐ「尿管」も不可欠。糸球体や尿細管も3カ月の胎児の頃の大きさで、さらに成長させる必要がある。

 再生医療研究に関する国の工程表では、再生した腎臓細胞を治療に使う研究は2022年以降とされていたが、大幅に前倒しできる可能性が出てきた。

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