2018年11月22日(木)

県警「監視体制に不備」 尼崎連続変死、容疑者が留置場で自殺

2012/12/13付
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兵庫県尼崎市の連続変死事件で、自殺したとみられる無職、角田美代子容疑者(64)=殺人容疑などで再逮捕=が死亡前に自殺をほのめかしていながら、県警が最も厳しい監視レベルを敷いていなかったことが12日、県警への取材で分かった。県警留置管理課は「重大な(事件の)容疑者を死亡させてしまい、結果としてミスがなかったとは言えない」として不手際を認め、監視体制を検証する考えを示した。

司法解剖の結果、美代子容疑者の死因は首が絞まったことによる窒息死と判明。県警は自殺とみている。

県警は一連の変死事件について、美代子容疑者が主導していたとみて最重要人物に位置付けていたが、死亡により全容解明は困難になった。

留置管理課によると、美代子容疑者は県警本部(神戸市中央区)3階に3部屋並んでいる女性用の留置場のうち、3人部屋に収容。留置場担当者がいる監視台の正面に位置し、距離は2~3メートルで監視カメラはなかった。

同課によると、美代子容疑者は10月22日以降、課員に対し計4回にわたり「家族のことを思うと、生きていたくない」「どうやったら死ねるか」などと吐露していた。このため監視強化の対象となる「特別要注意者」に指定。巡回を通常1時間4回のところを6回に増やしたが、留置方法は変更しなかった。

また女性巡査長が12日午前6時10分ごろに美代子容疑者の異変に気づきながら、女性巡査部長に連絡するなどして、入室まで約10分間を要したことも明らかになった。留置場を開閉する緊急用の鍵は、夜間から早朝の間は監視台に保管されているが、女性巡査長らはこの鍵を使わず、宿直副責任者を呼んでいた。

同課によると、首を絞めたとみられる黒い長袖Tシャツは普段、美代子容疑者が着用。就寝時はいつも枕元に畳んで置かれていたが、11日夜に寝た際はなかった。12日午前5時38分には首もとにあったことを同課員が確認したが、同容疑者の異変に気づかなかった。

最も厳しく監視する場合は、監視台から見て左側に位置する監視カメラ付きの1人用の部屋に収容し、プライバシー保護のため設置された遮蔽板も取り除くという。この部屋は自傷行為や自殺する恐れがある者を収容するのを目的とする一方、どの部屋に入れるかは個別の事情や状況に応じた判断としている。

美代子容疑者をこの部屋に移さなかった理由について(1)留置場には美代子容疑者のほかに2人おり、気持ちを落ち着かせられる(2)同居者の協力で(自殺などを)未然に防ぐ効果がある(3)監視台の正面で死角が少ない――などと釈明したが、結果的に監視が行き届かず最悪の結果を招いた。

同課は「重大な(事件の)容疑者を死亡させるという留置管理上のミスがなかったとは言えない。再発防止に努め、監視体制が適切であったかどうかを検証する」としている。

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