山形県酒田市の離島、飛島の南西約2キロの沖合にある御積島で、国の天然記念物で絶滅危惧種のカンムリウミスズメの成鳥が見つかっていたことが12日までに分かった。繁殖が確認されれば、これまでの石川県七ツ島から、北限が300キロ以上北上することになる。
発見したのは市民団体「日本海鳥グループ」のカンムリウミスズメ個体数調査チーム(福島市)で、4月28日夜、御積島の近くで海に浮いている5羽を発見した。
環境省によると、カンムリウミスズメは日本周辺と韓国の一部にだけ生息し、一生の大半を海で過ごす珍しい海鳥。日本では宮崎県の枇榔島が最大の繁殖地として知られる。外敵が少ない島の崖の岩場に産卵するため、繁殖地は無人島などに限定される。〔共同〕