2019年1月22日(火)

「選挙権を返して」 成年後見で喪失、14日に初判決

2013/3/12付
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成年後見人が付くと選挙権を失う公選法の規定は憲法違反だとして、茨城県牛久市の名児耶匠さん(50)が国を相手に選挙権があることの確認を求めた訴訟の判決が14日午後1時半、東京地裁で言い渡される。「また、3人で選挙に行きたい」。再び両親と投票できる日を願い、判決を待つ。

匠さんはダウン症で中程度の知的障害がある。特別支援学校卒業後、30年近く、家庭用品販売会社でラベル貼りなどの仕事を続けてきた。

成人してからは国政選挙も地方選挙も欠かさず投票。テレビのニュースや選挙公報で候補者を選び、3人で投票所へ。用紙には自筆で記入、期日前投票の経験もある。

しかし、2007年、父、清吉さん(81)が成年後見人になると、選挙の案内が届かなくなった。財産をだまし取られるようなことがないようにと、娘の生活を守るためにあえて利用した制度。「どうして重要な国民の権利を奪われなくちゃいけないんだ」と清吉さんが法定代理人となり、11年に提訴した。

裁判で国側は「選挙権を行使するには判断能力が必要。不正な投票に誘導される恐れもある」と指摘。「判断能力について個別に審査することは不可能で、成年後見制度を借用するのは合理性がある」と主張した。

清吉さんは「知的障害者でも成年後見人を付けなければ選挙権がある。不正投票と選挙権の剥奪を一緒に論じるのもおかしい」と憤る。

匠さんたちの行動をきっかけに、札幌、さいたま、京都の3地裁にも訴訟が広がった。この規定をめぐる司法判断は初めてとなる。「娘の1票とほかの人の1票に違いがあるのだろうか」と清吉さん。当日は家族全員で裁判所に行き、朗報を聞きたいと思っている。〔共同〕

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