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なぜ冠動脈バイパス手術なのか 医療解説

天皇陛下が受けられる冠動脈バイパス手術は、心臓を動かす筋肉への血流が悪くなる狭心症を改善するだけでなく、心筋梗塞を予防する効果がある。カテーテル治療に比べると身体的な負担は大きいものの、今回のように緊急でない手術で初回治療の場合の成功率は99%以上で安全性は確立している。専門家は「症状の突然の悪化の予防につながる点も重視したのではないか」とみている。

狭心症の治療は天皇陛下が昨年2月から受けられていた薬物療法とバイパス手術のほか、血管内に細い管(カテーテル)を入れて狭くなった血管を内部から広げるカテーテル治療がある。カテーテル治療では、広げた部分に網状の筒(ステント)を入れて再び狭くなることを防ぐ方法も広く実施されている。

宮内庁によると、天皇陛下は3本の冠動脈のうち、2本が狭くなっており、通常はカテーテル治療とバイパス手術のいずれかを選択できる状態だ。医師団がバイパス手術を選択した背景について湘南鎌倉総合病院(神奈川県鎌倉市)の斎藤滋副院長(循環器内科)は「冠動脈が狭くなっていた場所や状態がカテーテル治療に適さなかった可能性もある」と推測する。

日本循環器学会が3月に公開する予定のガイドラインによると、カテーテル治療は狭心症の改善効果はあるが、心筋梗塞を予防する効果は確かめられていない。一方、バイパス手術は狭くなった場所が詰まっても別のルートで血流を確保できることもあり、「狭心症を改善し、心筋梗塞の発症を予防できる」としている。

ガイドライン策定メンバーの1人は「カテーテル治療は治療後も薬を飲み続ける必要があるほか、広げた場所が再び狭くなる可能性がある。バイパス手術は身体的負担は大きいものの、1回の手術で状態の抜本的な改善を目指したのではないか」とみている。

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