高齢者支援にボランティア奮闘 震度6強の長野・栄村

2013/3/13付
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東日本大震災の翌日、震度6強の地震に襲われた長野県最北端の栄村。被災当初「生活の復旧」に奔走していたボランティアが2年を経て「高齢者の生活支援」に活動の場を転換している。収穫の手伝いや雪かき、買い物同行……。高齢者が多い豪雪の村で、ボランティアが小さな光を放っている。

しんしんと冷えた1月の被災者用村営住宅。真新しい台所があるのに、斎藤恵美さん(84)はまな板を床に置いて包丁を握っていた。栄村で被災者支援を続ける元村議の相沢博文さん(65)は驚いた。「どうしたの」「台所の位置が高すぎて、腕が疲れちゃうの」

相沢さんは、地震以来何度もボランティアに来ている奈良県五條市の辻康成さん(65)に相談。2月、辻さんは大工道具を抱えて村に入り、背が低い高齢者でも楽に炊事ができるよう、すのこを作ってプレゼントした。

村内で旅館も営む相沢さんは、地震直後に栄村復興支援機構「結い」を立ち上げた。2年間で延べ4700人のボランティアとともに、倒壊した住宅の片付けや仮設住宅の引っ越しの手伝いなどに奔走した。

村によると、仮設住宅や村外で避難生活を送っていたのは昨年3月末時点では68世帯144人。その後、村営住宅の新設や自力での住宅再建が進み、現在は6世帯13人にまで減った。

"日常"が戻るにつれ「結い」の活動も、復旧支援から、高齢者の生活支援に変わった。田んぼの雑草取り、トマトやキャベツの収穫手伝い、雪かきなどの力仕事だけではない。買い物同行、話し相手になる、復興新聞作り、駅の電飾……。

村の人口は2月末現在2205人、世帯数は899。地震前から人口減が止まらない。高齢化率は45.6%。村の世帯の3割近くを一人暮らしの高齢者が占める。今冬も積雪は2メートルを超え、家に閉じこもりがちだ。「地震の前後を問わず、支えが必要なお年寄りは多い」と相沢さん。

村の担当者は「平等が原則の行政サービスでは難しい支援内容もあり、とてもありがたい」と話す。地震で半壊した自宅の再建をあきらめ村営住宅に移った一人暮らしの広瀬房子さん(84)は「いざというときに本当に助かる。これからも続けてほしい」と願う。

企業や学校、個人からは今もボランティアの申し出がある。長野県麻績村の臨床工学技士、坂口英誠さん(34)は2月に村を訪れ、復興祈願の祭りに向けたかまくら作りを手伝った。仲間と「雪が解けたら観光にも来たいね」と話している。〔共同〕

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