心房細動の新しい手術に成功 筑波大学付属病院
筑波大学付属病院の青沼和隆教授らは12日までに、不整脈の一種である心房細動の新しい手術に成功したと発表した。「経皮的カテーテル心筋冷凍焼灼(しょうしゃく)術」と呼ぶ手術で、国内で初めて実施した。手術時間が従来の約3分の2になり、より多くの患者を治療できるという。
心房細動は高齢化に伴い患者が増えており、2050年には患者は103万人になるとの予想もある。心臓を動かす電気信号が心房の一部で不規則に数多く発生することなどで起こる。
新しい手術はカテーテルという細い管4本を心臓に通し、風船を膨らましたうえで冷やし、心房細動を引き起こす異常な電気信号が伝わらないようにした。手術時間は2時間半ほどで済む。
青沼教授らは1日、千葉県我孫子市在住で初期の心房細動のある男性患者(70)に実施。患者は3日後に退院した。
現在は異常な電気信号を出す患部を熱で焼く手術が主流だが、3~5時間ほどかかる。筑波大の場合、この手術を受けるために待つ期間が2カ月以上あるという。