褐虫藻ゲノム解読、サンゴ白化現象解明期待 沖縄科技大学院大
沖縄科学技術大学院大の佐藤矩行教授らの研究チームは、サンゴと共生する藻類「褐虫藻(かっちゅうそう)」のゲノム(全遺伝情報)を解読した。研究チームは2011年にサンゴのゲノム解読にも成功しており、サンゴの死滅につながる「白化現象」の原因究明やサンゴの生態解明に生かす。11日付の米科学誌カレントバイオロジー(電子版)に論文を掲載する。
褐虫藻はサンゴの内部にすみつく代わりに、サンゴに栄養を与える共生関係にある。褐虫藻がいなくなったサンゴは白化する。白化現象は海水温上昇などが原因とみられているが、褐虫藻とサンゴ双方のゲノム情報を詳しく分析することで白化のメカニズムを解明できる可能性がある。
研究チームはカリブ海に生息する褐虫藻「シンビオディニウムマイナータム」のゲノムを約2年かけて解読。褐虫藻のゲノムの大きさは約15億塩基対で、約4万2千個の遺伝子を特定した。