人とチンパンジーの特徴を兼備 セディバ猿人の骨格
200万年前に南アフリカで生息していたセディバ猿人(アウストラロピテクス・セディバ)は、骨格に人とチンパンジーの両方に似た特徴を兼ね備えていたと、南ア・ウイットウオーターズランド大などのチームが12日付の米科学誌サイエンスに発表した。
歯や骨盤は人に近い一方、かかとはチンパンジーに似て、直立歩行と木登りの両方に適していたと推測されるという。初期人類の形態や機能が、モザイク状に進化していた過程を明らかにする成果としている。
チームは、少年や女性など計3人分の化石を詳細に調べ、6本の論文にまとめた。歯の分析からは、臼歯のかみ合わせる部分が盛り上がっている形状などが、初期の現代人(ホモ属)やより古い時代のアフリカヌス猿人に近いことが分かった。
腕は木に登ったりぶら下がったりするのに適した形をしており、小さなかかとはチンパンジーに似ていた。かかとや膝、尻の骨を分析した結果、チームは「膝と腰を回転させる独特な歩き方をしていた」と推測している。
セディバ猿人は2008年、南アの首都プレトリア近郊の洞窟で発見された新種の猿人。現生の人類(ホモ・サピエンス)を含むホモ属の祖先の可能性があると注目されている。〔共同〕