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小沢元代表の被告人質問の要旨

東京地裁で10、11の両日開かれた民主党元代表、小沢一郎被告の被告人質問の主なやりとりは次の通り。(一部呼称略)

【10日】

主任弁護人の弘中惇一郎弁護士「会計責任者の大久保(隆規元公設第1秘書)さんは会計に従事していなかったが」

小沢「問題ない。私の事務所だけではない。政治資金収支報告書は単純作業。会計責任者は年長者を充てていた」

弘中「重要なことは報告させたか」

小沢「一切、彼らの判断。私は天下国家のことに全力を集中している」

 質問は陸山会の土地購入へ。

小沢「疑惑を招かないよう、個人所有と区別するため、契約書は政治団体名にし、確認書もつくるよう秘書に言っておいたつもり」

2004年の土地取引の記憶を尋ねられると、元代表は「大久保だったか石川(知裕衆院議員、元秘書)から政治団体の金はあるが活動に支障を来すといわれ、金を用立てた。その段階で済んだことで、活用は秘書の仕事」と答える。

弘中「石川さんが融資申込書や手形に署名を求めた時の説明は」

小沢「別になかった」

検察官役の大室俊三指定弁護士「04、05年分報告書の作成について、協議や報告は」

小沢「ない」

大室「預金を担保にりそな銀行から4億円を借りるというスキームは」

小沢「知らない。サインを求められたときは預金を担保に融資を受けるのかなという思いは片隅にあったが」

 元代表は、自身の口座から陸山会の口座に4億円が送金されたことや、土地取得が05年分報告書に書かれることを事前に認識していたか、との質問にも関与を否定。指定弁護士は元代表の署名がある書類を次々と示し、サインしたのか確認。元代表は融資申込書や約束手形など一部を除き、否定を続けた。

大室「陸山会規約では、会計責任者は代表の指示に従うとあるが、従っていたのか」

小沢「会計事務には全く携わっていない」

大室「代表が会計責任者を監督するのが政治資金規正法の建前だが」

小沢「実務担当者が法の趣旨にのっとって経理をやっていればいいと思っていた。最終的な責任は代表や会計責任者にあるが、会計事務は普通の読み書きと計算ができれば十分」

 元代表名義の4億円の定期預金が資産報告書に記載されたか質問。

小沢「分かりません」

大室「定期預金を秘書に言ったことは」

小沢「秘書に任せていたので分かりません」

大室「資産が増えたら秘書に言っていたということだが」

元代表「質問の意図が理解できない。(秘書に)任せていたから知らないと言っている」と語気を強めて反論。

大室「(本件土地購入で)賃貸の検討は」

小沢「賃貸だと政治団体からお金が流出する。資産を確保した方が良いと思った」

大室「石川さんから契約が済んだとの話は」

小沢「なかった。お金を用立てると言って、私の仕事は完結している」

【11日】

 石川議員に渡した4億円の出どころを元代表は(1)バブル時代に転居した際の土地売却益2億円(2)金融危機で銀行から引き出した3億円(3)同様に引き出した6、7千万円――の計5億6、7千万円と説明。
 大室指定弁護士は(2)の3億円が引き出された後、妻の口座に2億9千万円の入金があることから「同じ金ではないのか」「その後、供述を変えたのではないか」と追及。

小沢「変えていない。正確な記憶がなかっただけだ」

大室「東京のマンションの事務所にいつから4億円以上あったのか」

小沢「かなり以前」

大室「億単位の現金保管は想定できない」

小沢「必要な場合、すぐ対応できる。手元に現金を置くのは私の感覚では離れていない」

大室「個人口座に入った資金は」

小沢「歳費や印税など」

大室「石川さんは現金をもともと知らなかったから『何か表に出せない金』と思ったのでは」

小沢「渡す時『私のお金』と言ったように記憶している」

大室「(4億円を渡した際)紙袋に入れて新聞紙で覆ったのは」

小沢「僕だと思う」

大室「1億円は10キロと重い。忙しいあなたがやるのは、ふに落ちない」

小沢「プライベートな資金なので」

大室「秘書があなたの意見を聞かずに、登記時期をずらして先に代金を支払うのは不自然だ」

小沢「政治家と秘書は信頼関係で成り立つ」

大室「4億を用立て、何百万も金利を払う借り入れをする合理性は」

小沢「いちいち理詰めで考えていない」

 土地の権利が元代表にない証明として作った確認書について。

大室「2007年の事務所費公表の際、いつ作成したと説明したのか」

小沢「分からない」

大室「代金を支払った際と言わなかったか」

小沢「表現の仕方は記憶していない」

大室「支払時に作成したのではないですね」

小沢「公表時に(他の土地も含め)確認書が全部あると思っていたらなく、じゃあ作ろうと」

弘中「4億円の原資となった東京都文京区の不動産の売却額は」

小沢「14、15億円」

弘中「世田谷区に購入した住居は」

小沢「9億円前後」

元代表は、ほかにも相続した東京・上野の土地を約40年前に1億円前後で売却したと述べた。

弘中「個人口座から現金を出金したことは」

小沢「『日本改造計画』の印税8千万円を含め、1億6、7千万円と銀行の資料にあった」

弘中「『現金を手元に置くと使い勝手が良い』と言ったが、実例は」

小沢「総選挙で仲間を支援した。(政治団体の)改革フォーラム21からの寄付に時間差があった。全国に仲間が散る前に埋め合わせた」

 井下田英樹裁判官「国会議員のキャリアで最初から収支報告書の内容を把握していないのか」

小沢「作成には最初から関与していない」

井下田「あなたが提供した4億円を土地に使ったことを報告書や資産公開に記載してもいいかと相談されたら」

小沢「自分の金についてどのように人に知られようと一向に構わない」

平塚浩司裁判官「石川さんは融資書類にサインをもらう際『定期預金を担保に融資を受ける』と説明したと証言したが」

小沢「なかった。絶対にないかと言われると否定する根拠はないが、覚えていない」

平塚「規正法は正確な報告書の提出を求めている。天下国家にまい進と言っていたが、議員として報告書を確認する責務は」

小沢「ある。責任逃れではないが、目を通す議員はほとんどおらず、それでいいのかとお叱りを受けるならその通りだ」

大善文男裁判長「年末の各団体の運営報告の時間は」

小沢「数分。トータルとして各団体でうまくいっているかどうか」

大善「陸山会事件が報道されたとき、石川さんに説明を求めたか」

小沢「やましいことはないと思い、石川も池田も呼んだことはない」

大善「『政治状況を考慮して』土地登記をずらした秘書の行動は」

小沢「彼らなりに良かれと思ってやったこと」

〔共同〕

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