小4の理数学力改善、脱ゆとり効果か 国際テスト
国際教育到達度評価学会(IEA、本部オランダ)は11日、小学4年と中学2年が対象の国際学力テスト「国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)」の2011年の結果を発表した。日本は全科目で平均点が上昇または横ばいとなり、小4は過去最高になった。国際順位は全科目で5位以内に入った。
小4の成績が明確に上向いたのは1995年以降で初めて。文部科学省は「子どもの学力は改善傾向にある」と指摘。「脱ゆとり教育」路線を鮮明にした新学習指導要領の成果とみている。
過去の調査と比較できるよう95年の国際平均点を500点とし、今回の得点を統計処理した。日本の平均点は小4の算数が前回より17点上昇、理科も11点上昇した。中2は数学が横ばい、理科も4点上昇だった。順位は小4の算数が5位、理科が4位。中2の数学が5位、理科が4位だった。
調査は4年に1度。03年は順位下落が目立ち、学力低下論争が起きた。今回は小学校は50カ国・地域、中学校は42カ国・地域が参加した。経済協力開発機構(OECD)の学習到達度調査(PISA)で全科目トップだった上海は参加していない。日本は約8800人の小中学生が受けた。