2019年1月24日(木)

北海道で旅客機、地上30メートルまで急降下 上昇しようと操作中

2011/6/11付
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北海道・奥尻空港で4日、北海道エアシステム(HAC)のサーブ340(乗客乗員13人)が着陸をやり直した際、操縦士は上昇しているつもりなのに機体が急降下し、地上まで約30メートルに接近したことが11日までに分かった。HACは同日、機長(41)が高度の設定を失念したことが急降下につながった可能性があると明らかにした。

けが人はなかったが、国土交通省は事故につながる恐れがあった重大インシデントと判断。運輸安全委員会の航空事故調査官3人は11日、札幌市の丘珠空港にあるHAC本社で事故原因の調査を始めた。

国交省によると、機体は双発プロペラで函館発奥尻行きの定期便。4日午前11時半ごろ、奥尻空港の手前約1.5キロ、高度200メートルで、雲が多く視界が悪いことから着陸やり直しを決めた。

機体はいったん上昇したがその後下降し、対地接近警報装置(GPWS)が鳴動。機長は降下率が大きいことを示すGPWSの「シンク・レート」という音声を聞き、エンジン出力を最大にして機体を再上昇させた。奥尻には着陸せず、函館に引き返した。着陸後にデータ解析すると、高度30メートル弱まで降下していた。

HACによると、奥尻空港に着陸する際は通常高度180メートルでいったん水平飛行し、着陸するかどうか最終判断する。視界不良などで着陸をやり直す場合は、1200メートルまで上昇するよう事前に操縦士が計器に目標高度を設定しておく手順になっている。設定すれば上昇時にどこまで操縦かんを引くか、計器画面に表示される仕組み。

機長は「上昇しようとしたが画面には的確な表示が出なかった」と話しており、HACは機長が1200メートルの事前設定を忘れたとみている。表示がないことで上昇に向けた操縦かん操作が甘くなり、揚力を確保するフラップ(高揚力装置)を格納したこともあって、急降下した可能性があるという。

HACは8日になって、警報鳴動の事実を国交省に報告。同省東京航空局は報告の遅れに問題があるとして10日夜、担当者から事情聴取した。

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